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Doctor's BLOG

バイスタンダーとして

2006年12月 9日

H18年12月6日の午後1時50分頃、食事を終えクリニックへ向かおうとした時でした。
救急車のサイレンの音がだんだん大きくなり、自宅近くの河の土手に救急車が止まりました。
すぐその場に私と副院長が駆けつけました。
河の岸で人が倒れているのが、分かりました。
DSCN0455.jpg

医療関係者(歯科医師)である事を救急隊員に告げ、心臓マッサージおよびアンビューバックでの換気を救急救命士と共に交替で始めました。
AEDがありましたので、AEDのパットを胸に貼り解析を開始しました。
Asystoleであったため、除細動はせず、心臓マッサージおよびアンビューバックでの換気を行い救急車内へ。
そのまま、100%酸素10L/分アンビューリザーバーバック接続。SPO2プローブ、心電図解析。
Asystole継続。心臓マッサージ、換気続行。
幸い、某病院がすぐ近くであったため、そのまま救急車に同乗し、患者を搬送。
病院内ERにて、医師により気管内送管、エピネフリン1mg静脈内投与。
戻れよ、心臓と願いが通じたのか、なかばもうだめかもと皆が思い始めた時、心臓がリスタートし始めた。!
フラットな心電図波形から、ゆっくりと心臓は拍動が再開されたのだ。
自発呼吸は、無いため人工呼吸器が取り付けれICUへと運ばれたのだ。
その間約20分の出来事であった。

救急病院からの帰り道、一人でいま自分がとった行動を振り返った。
あの状況下で、自分が冷静に行動ができたことに驚きを覚えると共に、ベストを尽くせたかどうかを自分自身に問う。
その答えは、「ベストは尽くした。」
後悔はあるか?「ない」
では、さらなる救急救命の向上には?
「絶え間ない、トレーニング。」
「一般の人々にもバイスタンダーとなる勇気の啓蒙。」

その日の午後の診療の筋肉痛を覚えた。
忘れていた、「体力増強。」

12月8日 ICUの患者が、死亡したと知る。

合掌。
残念である。
この悔しさ、忘れずにしよう。

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