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Doctor's BLOG

正しい診断こそインプラント治療には必要

2006年10月30日

最近、よく電話でインプラントは、「1本いくらですか。」聞かれる事がある。
口腔内を見ないで、診断もできなですし、インプラントを入れなければならなかった原因(歯を失った原因)も電話でも分かりません。
まして、その欠損に何本のインプラントが必要かも分かりません。

ここで、海外で行われたインプラント症例をご紹介します。
治療費用は日本の約1/5です。
セット後2年とのことです。


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(海外で行われた症例)

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(海外で行われた症例)
この患者さまは、外国人で日本に来てインプラント上部構造が壊れて困っておられました。
口腔内を見ますと、下顎では、5本のインプラントが埋入されておりました。
しかし、そのインプラントの上にあるゴールドスクリュー5本中3本は、破折して喪失。
残りの2本は、1本が破折してアバットメントスクリュー内に折れ込み、残り1本で上部構造が口腔内に止まっておりました。

IMG_3912.jpg
(海外で行われた症例)

なぜ、このゴールドスクリューが破折したか、みなさまお分かりですか。?
それは、インプラントの埋入位置が直線なため、臼歯で噛むと、カンチレバーとなりゴールドスクリューが破折するのです。
インプラントは5本です。
このよう配列はがなぜおこるかと、言いますと。
下顎のこの部分には、固い骨があること、また下顎に分布する神経がこの領域にはない事が、このようなインプラントの配列を起こすのです。
私の症例である。オールオン4の配列と比較してみてください。
4本でも均等にインプラントを配列すれば、力学的に有利でなるばかりではなく、長期間の安定したインプラント上部構造を得る事ができるのです。

ですから、インプラント治療にはきちんとして診断が必要なのです。
インプラントの治療費用は、高額であることは否定しましせん。
しかし、一生ご自分の身体の一部となり365日ずっと機能するものです。
安いといって、飛びつくのが良いのか、きちんとして臨床経験を積んだ歯科医師を選ぶのが良いのか。
日本の歯科医療は、精度、歯科医師の質と良い世界一であると思います。
がんばれ、日本。!

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Bacteria Translocation

2006年10月15日

DSCN0390.jpg

H18年10月7日午前中は横浜で開催された日本歯科麻酔学会、午後は鶴見大学で開催された口腔感染症ホーラムに出席した。
そこで、東邦大学医学部微生物学講座 舘田一博先生の講演を聞いた。
腸管内の緑膿菌が門脈に入り、肝臓にマクロアブセスを作る。それが血行を介して全身に廻る。
内因性の緑膿菌感染が、熱傷および、長期気管内送管患者の死亡率をアップさせる。
特に緑膿菌と高濃度酸素環境が続くと、死亡率がさらに上昇する。
そこで、アジスロマイシン(商品名 ジスロマック)を500mg/日 4週間投与を行うと、メタロプロテアーゼ産生が低下して、Bacteria Translocationが抑制できるとのこと。
ある菌数以上に菌が増殖するとQuorum-sensingが生じ、他の細菌にも菌の情報が伝達されてしまう。
それを阻害するのに、マクロライド系抗菌剤は有効である。
また、ブレイクポイントチェックボード法を用いることにより、他剤を使用するための細菌最小有効濃度の組み合わせを探りださる。
その為、アジスロマイシンとポリミキシンBの併用は、おそらく歯周疾患関連菌阻止に有効であるのであろう。

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トビヒの後のSSSS

2006年10月14日

DSCN0414.jpg

Staphyloccus aureus が産生するExfoliative Toxin(ET)には、ETA,ETB,ETDがある。
皮膚の細胞間接着はデスモグレン1とデスモグレン3である。表皮に近い部分ではデスモグレン1が多く分布し、顆粒層近くではデスモグレン3が分布している。
Staphyloccus aureus が産生するExfoliative Toxin(ET)の攻撃目標は、皮膚の顆粒層までの深さにあるデスモグレン1である。
SSSSに罹患すると、このデスモグレン1が攻撃され、顆粒層で剥離が起こる。
(口腔粘膜にはデスモグレン3のみの分布により、ETの影響を受けない。つまりSSSSでは口腔内粘膜は剥離しない。)
これが、とても見た目が重篤であり、本当にこの症例に初めて当たった場合とてもショッキングである。
ましては、自分の娘が最初の症例だと。
このSSSSに罹患したStaphyloccus aureus はETA遺伝子とMRSAとは一致していることが多く、統計的にも相関関係がある。
そこで、問題なのが、トビヒの34%がMRSAであること。
そうなるとβラクタム環系抗菌剤に耐性が生じる、そうすると小児科および皮膚科の医師はテトラサイクリン系の抗菌剤を使用する事になる。
(バンコマイシンは腎毒性があるためにファーストチョイスとしては気軽に使えない。)
そこで問題となるのが、歯牙へのテトラサイクリンの着色である。
歯胚の状態で顎の中にある、永久歯の形成時期にそってラベリングが起こってしまう。
まあ、歯のホワイトニングやラミネートベニアで審美的な回復ができるが、ちょっとテトラサイクリン系抗菌剤を使用するのも躊躇してしまう。
一般の患者さまは果たしてテトラサイクリンによる歯牙の沈着のリスクを医師から説明を受けているのか疑問である。
しかし、SSSSの症状をみれば、親としてどんなくすりでも子供が良くなるのであれば、使ってもらいたいが。
少なくても私は、熟考と苦悩のうえテトラサイクリン使用を決断した。

MRSAの発生は、抗生剤の安易な使用に警鐘をならしていると感じている。
しかし、その影でIEによる亜急性心内膜炎の危険性も指摘されている。
歯ブラシだけでも菌血症が生じると言われている。
はたして、抗生剤を投与すべきか、すべきではないのか。
いつも投薬時に、MRSAのリスクが頭をよぎる。

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ぐんま県民マラソンAED隊ボランティア募集

2006年10月 1日

H18年11月19日前橋市内を中心にぐんま県民マラソンが行われます。
上毛新聞社主催のこの大会にAED隊を編成して、マラソンランナーの安全を確保し、 AEDの認知度を一般市民の方々にも知って頂くのがこの運動の趣旨であります。
つきましては、一般の方々のAED 隊ボランティアを募集いたします。
募集人数30名
募集締め切り10月10日午前10時
資格 :高校生以上。特に資格必要なし。だれでも参加可能です。
参加ご希望の方は、メールにてお知らせ下さい。(ueda@cdu.jp)
(現在、医師、歯科医師、看護師 、救急救命士等が参加予定です。一般の方々でもご遠慮なく参加下さい。)

報酬なし。
交通費のみ支給できるよう現在主催社側と相談中。
弁当支給、スタッフジャンパー貸与。貸し自転車使用。
給水所を中心に自転車にて待機予定です。

詳細についつきましては、今後の会議で決定予定です。

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群馬県伊勢崎市中央町10-19
植田歯科内 ぐんま県民マラソンAED隊ボランティア係
医院長 植田晋矢
電話0270-23-3435
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