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ALL-ON-4(インプラントアドバンス歯科医師向け)

2006年9月17日

IMG_1803.jpg

ALL-ON-4は、無歯顎への4本のインプラントで1日で手術からインプラント上部構造をセットする方法である。
9月10日に東京でのCLUB22勉強会において、私およびその他の先生らから、このテクニックの難しいポイントについて発表を行った。
まず、このテクニックの困難なポイントをあげる。
1、傾斜埋入されたインプラントにセットされる角度付きアバットメントの連結。
2、同日負荷へのリスク。

では一つずつ解説を行ってゆく。
1、傾斜埋入されたインプラントにセットされる角度付きアバットメントの連結。
これは、本当に難しい。
まず、フィクスチャーの埋入深度が大切。
通常のように少し深く埋入すると角度付きアバッメントを連結する際に、必ず後方の骨が アバットメントと干渉をする。そのために、深めに埋入した場合には、ボーンミルを使用して周囲の骨を少し余分に除去する。
ボーンミルを駒が止まりそうになった時に軸をブラして回転するように大きく弧を描くようにフィクスチャートップ周囲の骨を除去する。
BOC小宮山先生によれば,通常より少し浅めに埋入してこの、ボーンミルの軸をブラしての骨除去を行う事を推奨している。

IMG_1805.JPG

次に、連結である。これが難しい。
現在の角度付きアバットメントには、内面に12角形があるためにこの連結がすごく大変。
それに、フィクスチャー内面にあるスターグリップ穴には内ネジが切られていないため、角度付きアバッメントの挿入方向が、規定されにくく誤った方向にアバッメントスクリューが挿入されても分かりずらい構造となっております。誤って挿入方向を間違うとフィクスチャーの内ネジが壊れてしまいます。
今回の症例検討会でも、フィクスチャーの内ネジを壊してしまった報告がりました。
では、どうするのか。
静岡の白鳥先生にアドバイスをもらいました。
まず術者の姿勢と患者の頭部の位置関係の決定。
フィクスチャー埋入時のスターグリップマシンドライバーの挿入方向と角度付きアバッと面と上のユニグリップマシンドライバーの挿入方向の記憶。これが大切。(書くと簡単ですが非常に難しい。よほどこのテクニックに精通していなければ無理。白鳥先生はおそらく日本でも5本の指に入る多くの症例を経験されているから出来るのであろう。)
小宮山先生は、この最初の角度付きアバットメントの連結は、マシンドライバーではなく手用ドライバーで行うようことを推奨。
(これも、石橋を叩いて渡る小宮山先生ならではの、コメント。これもまた難しい。指を口腔内に入れると全くと言っていい程、フィクスチャーと角度付きアバットメントとの位置関係が肉眼で分からない。)
私の場合どうしているかというと。
歯科用顕微鏡を用いてフィクチャーの内ネジの方向を確認してマシンドライバーにて連結。
(これも、非常に難しい。マイクロのピントと術野確保、角度付きアバットメントのアクセスホール挿入方向の決定をマイクを覗き込みながら、同時に行わなければならない。)
そこで、ノーベルバイオケアの森山さんから海外のノンエンゲージリングの角度付きアバットメントの紹介。
(このノンエンゲージリング角度付きアバットメントも問題がある。一度アバットメントスクリューを緩めたら、位置決めジグがなければ二度と上部構造は口腔内にもどりません。インプラント補綴的厳密に言えば、位置決めジグがあっても、二度と同じようには角度付きアバットメントは連結できなといっても過言ではないのですが。)

IMG_3685.JPG

2、即時負荷のリスク
現在のインプラントは、表面性状がタイユナイトとなり骨結合が促進される構造となっているが、手術および補綴が全てがうまくいって初めて、即日負荷が可能である。
手術中にインプラントの初期固定に不安が生じた場合には、負荷の遅延を必ず行う事。
また、インプラントの微小動揺は、インプラントディスインテグレーション となるので、強固な連結が必要である。
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群馬県伊勢崎市中央町10−19
植田歯科
電話0270−23−3435
電子メール  ueda@cdu.jp
インプラント外来
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