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血餅がなければすべては始まらない スッキャホード(足場)の重要性

2007年12月 1日

抜歯を行うと歯の周囲の歯槽骨の吸収が起こる。
これは、抜歯により生じた窩の外壁の骨が破骨細胞により吸収されるためである。
これをどうにか食い止めるすべは無いのか。
抜歯窩にβ-TCP(完全なる化学的合成の人工骨)やバイオス(牛の骨から精製した人工骨)を充塡しその上にコラーゲン膜で被服する方法もある。
もっと簡単に何か無いのか?
と考えてたその時一冊の本とであう。
夏井睦先生の「これからの創傷治癒」がそれだ。
この夏井先生の考え、どこかで同じ事を言っていた。
そうだ、ブローネマルク教授だ。!

ブローネマルク教授のもとへ留学されたBOCの小宮山先生は、インプラント手術後の口腔内含嗽を生理食塩水で行わせていた事を思い出した。

口腔内の傷に消毒薬で洗浄をする事により、たしかに細菌は一時的に減少する。
しかし、常在菌はすぐにもとの状態にもどる。
菌を消毒薬で死滅させようとするということは、つまりそこでの自己細胞にも影響を与えてしまう。

では、傷を早く治すのには。
血小板が停滞するスッキャーホード、低酸素での血管の再生。その後の組織酸素化、アミノ酸、そしてDNAからRNA転写を促すZn(
亜鉛)。
これがキーワードなのだ。

ハイドロコロイド膜を使用したソケットプリザベーションの一例をご紹介しましょう。

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(術前下顎6番が根尖性歯周炎により歯根膿胞により頬側歯肉腫脹)

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(抜歯直後 ハイドロコロイド膜により抜歯窩を閉鎖:これにより血小板の成長因子が保持)


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(抜歯5日後 ハイドロコロイド膜)
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(抜歯5日後の血餅、ハイドロコロイド膜により血餅が保持されている。これが再生の足場になる)

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(抜歯後15日目 抜歯にはプロマック(亜鉛)を使用)

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(抜歯後3ヶ月 歯槽骨の骨吸収を最小限に押さえられた。現在骨の成熟を待ちインプラントの埋入を行う予定)


抜歯してそのまま放置していると周囲の骨は吸収してしまい。
高度な骨移植等の手術を行わなければならない。
この方法なら、そのままインプラント手術ができます。
必要な物
ハイドロコロイド膜
プロマック(亜鉛)
歯科用顕微鏡(抜歯後の抜歯窩を完全に掻爬する必要があるため。不良肉芽組織残留により、抜歯窩は軟組織のしめる割合が増加してしまう。なぜなら、骨は高分化型組織のため再生速度が他の軟組織より遅いため)

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群馬県伊勢崎市中央町10−19
植田歯科 (インプラント外来)
植田晋矢
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キーワード 伊勢崎市 インプラント 植田歯科 静脈内鎮静法 オールオン4

Category : 歯科

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